西アフリカ諸国経済共同体、クリーンな燃料と車両の排気ガス基準等を採択

国連環境計画(UNEP)の2020年2月27日付けニュースによると、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS: Economic Community of West African States Commission)は2020年2月2日から5日の間に加盟15か国の環境、エネルギー大臣が参加して開催された閣僚会議で、よりクリーンな燃料と車両の基準を定める包括的規制を採択した。規制は地域の大気汚染改善へ向け、(1) 2021年1月から、輸入燃料中の含有硫黄基準を50 ppmとする、(2) 地域の製油所は操業能力を高め、2025年1月までにベンゼンなどの含有基準を順守する、(3) 輸入車は、2021年1月からEURO 4 / IVの最低排出ガス基準に準拠する、などを定めた。また、(4) 中古車に5年から10年の耐用年数を設けることや(5) 輸入車の燃費効率を2030年までに倍増する計画も合意された。上記燃料はガソリンおよびディーゼル。車両とはガソリン車とディーゼル車。

 

上記(5)の燃費効率とは、100km当たりの平均燃料消費量を以下のように改善させる。

現在:8リットル

2025年:5リットル

2030年:4.2リットル

その他、車両の燃費計画またはロードマップには、低排出ガス車を地域に誘致するための財政的インセンティブの提案、電気自動車の促進策、消費者意識を支援する車両の燃費とCO2排出量を示す新規輸入車の新しいECOWAS内での調和ラベルなどに関する提案が含まれている。

 

今回の規制採択の背景

UNEPによると、人口4億人に達する西アフリカ地域は、自動車の普及が急速に進んでいる。輸入車両の大部分は中古車が占めているが、排ガス基準など中古車の品質に対する規制は不十分である。また、低品質の燃料により、都市の大気汚染に起因する健康へのリスクが高まっている。

UNEPはECOWASとの緊密な連携の下、こうした地域の燃料と車両の基準改善に向け11の個別プロジェクトを支援してきた。今回、採択された規制は、UNEPが主導するクリーンな燃料と自動車のパートナーシップ、グローバル燃料経済イニシアチブ、気候とクリーンエア連合、電動自動車プログラムなどによる数年間にわたる作業から策定された。UNEPは、引き続き燃料および車両基準の草案作成、燃料経済ロードマップの実施、および電動自動車の導入支援などを継続していく。

 

ECOWAS(Economic Community of West African States Commission):1975年、西アフリカの域内経済統合を推進する準地域機関として設立された。2020年現在の参加国は、ベナン,ブルキナファソ,カーボヴェルデ,コートジボワール,ガンビア,ガーナ,ギニア,ギニアビサウ,リベリア,マリ,ニジェール,ナイジェリア,セネガル,シエラレオネ,トーゴの15カ国。

 

関連文書は以下のURLで見ることができる。

・国連環境計画のニュース

https://www.unenvironment.org/news-and-stories/story/west-african-ministers-adopt-cleaner-fuels-and-vehicles-standards

・ECOWASに関して

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/africa/ecowas.html