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EUの新しい産業戦略、クリーン水素アライアンス設立構想も

欧州委員会は2020年3月10日、新しいEU産業戦略を発表した。委員会のプレスリリースでは、本戦略の目的は、「地政学上のプレートが変化し、国際的競争が激化する中、欧州の競争力と戦略的自立を促すこと」にあるとし、同戦略は、「欧州産業が気候中立化とデジタル化というダブルの移行をリードする」のをサポートするとしている。戦略書原文(COM(2020) 102、英語、17ページ、PDFファイル)は、以下のURLで参照可能である。

https://ec.europa.eu/info/sites/info/files/communication-eu-industrial-strategy-march-2020_en.pdf

 

エコカー政策モニタリングの観点から特に注目されるのは、同戦略に「欧州クリーン水素アライアンス(European Clean Hydrogen Alliance)の設立が含まれている点である。もっとも、本件に関する戦略書の中の記述は、まだ非常に限定的であり、明確に述べられているのは、以下の3点だけである。

  • 水素技術というのは、「破壊的技術(disruptive technology)」の性質を持つものであり、バリューチェーン全体に沿った、より強い協調を必要とするものである。
  • このため欧州委員会は、アライアンスを設立することにより、投資家と政府、各種機関、民間企業のパートナーを寄せ集めようとしている。
  • 同アライアンスは、技術上のニーズ、投資機会、そして規制障害およびイネーブラー(成功要因)を特定するためにこれまでに行われてきた、各種の作業をベースに構築される。

 

なお、ドイツのITニュースポータルGolem.deは、この欧州クリーン水素アライアンス設立構想に関する報道の中で、クリーン水素をめぐる現況を以下のように説明している。

「水素利用を進める最大の論拠は、これが再生可能エネルギー由来の電力の助けを借りて製造可能であるという点である。例えば、夜間需要が減ることから生じる、風力発電の余剰電力を利用することができる。こうして作られた『クリーン』水素には、燃料電池自動車だけではなく、化学産業における用途もある。ただし、水素の電解効率は今のところ70%と、特に高いわけではない」。

 

関連動向

北ドイツではすでに水素アライアンスが立ち上がっている。2019年11月、ブレーメン、ハンブルグ、メクレンブルク=フォアポンメルン、ニーダ―ザクセン、シュレースヴィヒ=ホルシュタインの5つの連邦州が集結し、「北ドイツ水素戦略(Norddeutsche Wasserstoffstrategie)」を発表した。戦略書原文(ドイツ語、43ページ)は、以下のURL参照:

https://www.hamburg.de/contentblob/13179812/f553df70f865564198412ee42fc8ee4b/data/wasserstoff-strategie.pdf

 

今後の展開とスケジュール

なお、欧州委員会は今回の戦略書の中で、将来的には以下の領域においてもアライアンスの設立が必要であるとの見方を示している。

  • 低炭素産業
  • 産業クラウドや同プラットフォーム

原材料セクター