鉱業・資源の巨大多国籍企業、Rio Tinto(本社:ロンドン)は2020年2月26日、気候変動対策に関する同社の2030年までの新たな目標と、2050年までに事業活動から生じる温室効果ガス(GHG)排出量を実質的にゼロにするという「ネット・ゼロ排出」目標を達成するため、向こう5年間におよそ10億ドル(約1100億円)を投入することを明らかにした。
Rio Tintoの新たな2030年目標は以下の2項目である。
- 排出原単位(売上高あたりの排出量)を2018年レベルから30%削減する。
- 総排出量を2018年レベルから15%削減する。
これらの2030年目標を踏まえて、Rio Tintoは以下の4つの分野での活動を通じ、2050年までにネット・ゼロ排出を達成することを計画している。
- 低炭素の未来のために不可欠な材料を生産する:アルミニウム、銅、および高品位鉄鉱石は、低炭素経済への移行に重要な役割をはたす。
- 事業活動のカーボン・フットプリントを削減する:Rio Tintoの多くの事業活動はエネルギー集約度が高く、また、産業プロセスのなかにもGHGの排出につながるものがある。同社は生産性と効率の向上に向けた取組をおこなっており、また、代替エネルギー源の追及や排出削減のための新たな方法の開発にも取り組んでいる。
- バリュー・チェーン全体のカーボン・フットプリントを削減するためのパートナーシップ:Rio Tintoは、顧客をはじめとしてバリュー・チェーン全体にわたるさまざまな主体との協調行動を促進するための革新的なパートナーシップに取り組んでいる。たとえば2019年9月、同社は鉄鋼業のカーボン・フットプリントを削減して環境パフォーマンスを向上させるため、中国宝武鋼鉄集団(China Baowu Steel Group)および清華大学と提携して取組を進めている。
物理的な気候リスクに対する抵抗力を強化:Rio Tintoは、事業活動全体にわたる気候関連リスクについて検討を進めている。