ブラジル、フォルクスワーゲン・ブラジルに大気汚染違反により10億円強の罰金賦課

2020年4月7日、ブラジル環境再生可能天然資源院(IBAMA)は、フォルクスワーゲン・ブラジル社に5000万レアル(約10億6000万円)の罰金を科したことを公示した。同社は、排気ガス試験時に窒素酸化物の排出を少なくする装置を装着したディーゼルエンジンのピックアップトラックAmarokについて、同装置のプログラムの是正を命じられていたが、当該車両の内の28%しか実施されていなかった。

 

窒素酸化物の排出について、国家環境審議会決議2002年315号(Resolução n˚ 315/2002 do CONAMA)の違反として、罰金が科された。

 

2011年から2016年にかけて、排気ガス測定について不正な装置を装着した車両17057

台から自動車の大気汚染管理プログラム(PROCONVE:Programa de Controle de Poluição do Ar por Veículos Automotores)の制限に反して、2737.2トンの窒素酸化物が排出された。

 

2017年3月、IBAMAは、フォルクスワーゲン社のブラジル国内で販売されたディーゼルエンジンのピックアップトラックAmarok(2011年及び2012年モデル)の少なくとも85%のリコールを決定した。リコールによって、排気ガス試験の際に不正測定を可能にするソフトウエアを含む電子制御ユニットのプログラムの是正を行えるようにした。

 

フォルクスワーゲン社から技術報告書が提出され、IBAMAで分析された結果、当該車両17057台の内、28%の4835台しかプログラムの是正がされていなかった。

 

CONAMA決議1997年230号では、排気ガス、騒音の不正制御装置の使用が禁止されている。

 

2015年、米国環境保護局(EPA)から、ブラジルに、大気汚染に関する違反、即ち、2009年から2015年に米国で販売された車両の「排気ガス試験時に不正を可能にする装置」の件について通知があった。これを受け、BAMAがフォルクスワーゲン・ブラジル社に確認し、検査を行って、17057台のリコール、電子制御ユニットのプログラム是正について決定した。同装置を稼働させると、排気ガス試験時に窒素酸化物の排出量が少なくなった。

 

本件については、以下のURLから参照可能である。

http://www.ibama.gov.br/noticias/1487-2020/2195-ibama-aplica-nova-multa-a-volkswagen-por-emissoes-acima-do-limite-estabelecido-pela-legislacao