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欧州委員会、代替燃料供給インフラ展開指令の改正作業に着手

欧州委員会は2020年4 月6日、「代替燃料供給インフラの展開に関する指令2014/94/EU」(AFID:Alternative Fuels Infrastructure Directive)の改正案を策定するためのイニチアチブを開始した。概要が記されている「評価ロードマップ/開始影響評価(combined evaluation roadmap / Inception Impact Assessment)」(Ares(2020)1800668)は、以下の欧州委員会ウェブサイトでダウンロード可能である。

https://ec.europa.eu/info/law/better-regulation/have-your-say/initiatives/12251-Revision-of-Alternative-Fuels-Infrastructure-Directive

 

2014年11月に施行されたAFIDは、代替燃料供給インフラ展開を推進する上でのEU共通の枠組みを設定するものである。電動車の充電ポイントをはじめとする各種の代替燃料供給インフラ向けの標準規格や、加盟国が「国内政策枠組み(NPF:national policy framework)」の一環で実施すべきインフラ構築最低要件などを定めている。

 

AFID施行から5年が経過した現在も、代替燃料インフラ市場はまだ普及の初期段階にある。また、代替燃料自動車の成長率は伸びているものの、そのマーケットシェア自体は未だ比較的低いままだ。その一方で、近年のEU政策では、代替燃料駆動による低/ゼロ・エミッション自動車や船舶の普及が一層推進されるようになってきている。例えば、乗用車/小型商用車と重量車を対象とした2025年と2025年向けのCO2排出性能基準が採用された。さらに、EUクリーン自動車改正指令(EU)2019/1161の下で、公共調達自動車に占めるゼロ・低エミッション自動車の最低割合が規定された。また、2019年12月に発表されたEUの包括的戦略「欧州グリーンディール(European Green Deal)」(COM(2019) 640)では、「2025年までに、欧州では1300万台のゼロ・低エミッション自動車が普及していることが予測され、約100万の公共充電・燃料補給ステーションが必要となる」と述べられている。

AFID改正は、こうした現状に照らして、電気バッテリー、天然ガス(CNG/LNG)、水素を中心に、代替燃料の充電・供給ステーション・ネットワークを大幅に拡大するための要件を設定することを目的としている。なお、「開始影響評価(Inception Impact Assessment)」には、具体的なの問題点として以下の4点が挙げられている。

  • 加盟国別および駆動方式別の充電・供給ポイントの数が十分でない。NPFの下で計画されている内容は、平均すると、EUグリーンディールが掲げる代替燃料自動車・船舶の予測普及台数や野心的な目標設定と合致していない。
  • EUには、国境や駆動方式を越えた、ミニマム・コヒーレンスを伴う包括的なネットワーク接続が存在しない。加盟国間と加盟国内の双方において、充電・供給ポイントの分布が不均等である。
  • 代替燃料自動車(特に電気自動車)の利用者は、そのインフラ利用に際して煩わしさを感じることが少なくない。充電ステーションの可用性、アクセス性、ユーザビリティについての、わかりやすく透明性のあるユーザー情報が不足している。さらに、利用方法や支払い方法の幅広い取り揃えも不足している。
  • 現在のネットワークは、急増するEVをグリッドに適切に統合するための十分な機能を備えていない。このため、EV充電時に障害が発生したり、ユーザーにおける受容性が低下したりすることが予測される。消費者や企業においては、代替燃料駆動自動車の購入や投資において、充電・供給ステーションの不均等な展開が一つの障壁と捉えられている。

 

今後の展開とスケジュール

  • 2020年4月6日~5月4日:ロードマップに関するフィードバック受付(終了済)
  • 2020年4月6日~6月29日:パブリックコンサルテーション
  • 2021年第1四半期:欧州委員会による改正法案の採択

 

関連法令

  • 代替燃料供給インフラの展開に関する欧州議会及び理事会指令2014/94/EU(AFID)

https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:32014L0094