韓国環境部は2018年12月末、民間の自動車検査所61ヶ所が、排ガス及び安全検査基準を満たしていない車両に対して、車検の合格判定をするなど不正な行為をしたことを摘発したと発表した。
現在、自動車管理法に基づき、自動車検査機関として指定された「自動車整備業者」は約1700ヶ所が登録されている。
環境部は、民間自動車検査所が、政府が直営する検査所に比べて合格率が相対的に高いことをきっかけに調査をしたと説明した。
実際、韓国交通安全公団が直営する検査所だと77%、民間自動車検査所だと86.1%の合格率が出ている。環境部は、粉塵による大気汚染が深刻な社会問題になっており、特に道路輸送部門における排出量が多く、車検の重要性が高くなっている状況の下、こうした特別点検を実施することになったと説明した。
環境部が発表した資料によると、自動車排ガスが韓国内の粉塵排出量の中で占める割合は、全国の中で11.7%、首都圏の中では25.3%と、排出源1位を占めている。
環境部は、特別点検を実施した結果、不法チューニング及び安全基準を違反した車両に対して合格処理をした件が33件(54%)、検査機器の管理基準の未達が16件(26%)、検査表作成の違反事項が9件(15%)を占めた。
環境部は、摘発した検査所に対して、すべて業務停止命令を命じるとともに、従業員に対しては職務停止などの処分を下す予定である。
韓国では、車検は定期検査と総合検査に区分されており、車種により6ヶ月から2年の検査周期により車検を実施している。今回、不正な検査が行われた原因については、民間事業者の間に過大な競争が起こり、顧客を確保するために、不法チューニングの黙認や、検査装備の測定値の操作、一部検査項目の未作成など、違法事項があったという。
現在、韓国における車検の種類と対象車両は下記の通り。
区分 | 定期検査 | 総合検査 | |
排ガス精密検査 | 特定軽油車検査 | ||
根拠法令 | 自動車管理法43条
大気環境保全法62条 |
自動車管理法43条の2
大気環境保全法63条 |
自動車管理法43条の2
首都圏大気環境改善特別法25条 |
実施地域 | 全国 | 大気環境規制地域(ソウル、仁川、釜山など)、人口50万以上地域 | 大気管理権威(ソウル、仁川など28市) |
検査対象 | 全車種 | 全車種 | 軽油自動車 |
また、本記事の原文は下記環境部のサイトで閲覧することができる。