欧州委員会、ポーランドのLG化学EV用バッテリー・プラント支援を承認

2019年1月28日、欧州委員会はプレスリリースを公表し、LG化学のポーランド、ドルヌィ・シロンスク(Dolnoślaskie)地域における新たなEV用バッテリー工場について、ポーランド政府の3600万ユーロの援助がEU State Aid Ruleの規定に沿うものであるとして、その内容を承認したことを公開した。

ポーランド政府からの今回の資金援助は、同地域のリチウムイオン電池生産工場新設に対するLG化学の投資を後押しするものとなる。新たな工場は、欧州経済地域(EEA)において、年間8万台以上のEV向けにバッテリーを供給することが期待されている。

 今回の援助対象であるプロジェクトは、700以上の直接的な雇用創出効果が見込まれている。当該生産工場はドルヌィ・シロンスク地域に位置しており、当該地域はEUの機能に関する協定第107条3項(a)に定める地域援助に関する要件を満たしている。

 欧州委員会はガイドライン””” Guidelines on Regional State Aid for 2014-2020”のもとで、対象の援助の内容を評価・検証し、EU内で経済発展が比較的遅れている地域において経済発展や雇用創出の支援を行い、単一市場における地域の団結の促進を図っている。

欧州委員会の検証の結果、以下の見解を公表している。

■公的資金の投入がなれば、ポーランドまたは他のEU加盟国において、当該プロジェクトは実行に移されない可能性がある。

■投資援助は雇用創出効果だけでなく、経済発展、様々な不利な条件下にある地域の競争力向上に寄与するものとなる、 など。

 欧州委員会は、地域発展に関するプロジェクトのポジティブな影響が、援助によってもたらされる競争上の歪みなどを上回ると判断し、今回の承認に至った。

【参考情報】

Guidelines on Regional State Aid for 2014-2020

http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:C:2013:209:0001:0045:EN:PDF

欧州委員会-State Aid Control

http://ec.europa.eu/competition/state_aid/overview/index_en.html