ノルウェーで水素ステーション爆発、トヨタはMIRAIの販売を一時停止

ノルウェーで水素ステーションの爆発事故が生じ、トヨタと現代自動車が燃料電池車の販売を一時的に停止した。米国でも水素製造工場で爆発事故が発生するなど、燃料電池車の普及開発に暗雲が生じている。

 

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ノルウェーの首都オスロ郊外のバーハムにある水素ステーションで2019年6月10日に爆発事故が発生した。この爆発で近くを通行していた車のエアバッグが作動し、2名が軽症を負った。水素ステーションの整備運営企業Nel社は、水素ステーションの運用を停止した。またトヨタは同国におけるMIRAIの販売を一時的に停止したほか、韓国・現代自動車も同様の措置を講じた。

 

Nel社は1927年設立から電解方式による水素製造プラントの開発と改良を続けてきたノルウェーでは歴史を持つ企業である。爆発事故の後に同社の株価は20%以上下落した。同国では、MIRAIを中心とした燃料電池車150台程度が走行するが、トヨタ・ノルウェーはMIRAIのユーザーに対して、代替車の無料配車を勧めている。

 

Nel社の依頼を受けて爆発の原因を調査したGexcon社の専門家によると、700バールの高圧貯蔵タンクの栓の組立てに問題があることが究明された。大気中に形成された水素雲の発火原因について引き続き調査が行われている。情報筋は、大気に漏れた水素が高温になり、酸素と結びついて爆発したと想定している(水素に特有の逆のジュール・トムソン効果)。

 

今回の事故後、ドイツとデンマークにある水素ステーションも一時的に閉鎖された。2019年6月1には、米カリフォルニア州サンタクララにあるAir Products社の水素製造工場で爆発事故が生じ、11箇所ある水素ステーションのうち9箇所で水素不足のため営業が停止となった。