米カリフォルニア州サンフランシスコのEVワーキンググループが2019年6月末、EVロードマップを作成した。その中での将来の展望として「EVヴィジョン:2040年まで100%エミッションフリー交通」と題するヴィジョンが掲げられている。背景には、2018年4月に同市が公約した「2050年までに正味ゼロのGHG排出を達成する」という挙げられている。この目標は2016年の気候変動対策に関するパリ合意の内容にも沿っている。
EVロードマップでは2025年と2030年に中間目標を設定している。目標達成のため、EVロードマップでは6つの戦略を特定し、提案している。
戦略 | 提案アクション |
A. 一般公衆の意識向上: 広範な一般公衆への意識付けを行い、電動モビリティの利用可能な選択肢や便益について理解と検討を促す |
1. 意識付けキャンペーン 2. EVヘルプデスク設置 3. 試験乗車の延長 4. TDMプログラム 5. 効果的な案内・標識 |
B. インセンティブ: ガソリン車やディーゼル車よりも電動モビリティに対する選好の創出 |
1. EV購入/リースインセンティブ 2. 地域ハイウェイシステム 3. 国際空港へのアクセス・価格付け 4. ガレージ駐車政策・価格付け 5. 路上駐車政策・価格付け 6. 特別ゾーン 7. 効果的な交通価格 |
C. 充電インフラ: 全ての居住者、ビジネス、訪問者にとって利用可能で、利便性の高いEV向け充電インフラの確立 |
1. 集合住宅 2. スマート充電 3. 直流急速充電マスタープラン 4. 都市ガレージ 5. プライベート商用ガレージ 6. 歩道充電調査 7. 職業訓練 8. 充電経験 |
D. グリッド: EV充電と電力グリッドとを統合し、充電インフラからの便益の最大化を図り、再生可能エネルギーへの移行を促す |
1. インフラ制限ソリューション 2. 価格付け評価 3. 設置型バッテリー貯蔵 4. 再生可能電力 |
E. 中型車および重量車: 中型車および重量車の電動化を主導する |
1. フリート・パイロット 2. 通学 3. Recology fleet 4. 重量車用途のポート充電 5. インセンティブ・規制 |
F. 新興モビリティ: 新興モビリティオプションがエミッションフリーとなるよう取り組む |
1. TNC(輸送ネットワーク企業) 2. カーシェア 3. タクシー 4. カーレンタル 5. 自動運転 |
※TDMプログラム:
徒歩、自転車、乗り換えといった交通手段を支援する方策、インセンティブ、ツールを組込むプロジェクト開発を求めるもの。
【関連URL】
サンフランシスコEVロードマップ
https://sfenvironment.org/sites/default/files/fliers/files/sfe_tr_ev-roadmap.pdf