フランスのストラスブール市議会は、「低排出ゾーン」を設定して2025年からディーゼル車の通行を禁止する決定を下した。
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2019年9月23日に開催されたストラスブール市議会にてディーゼル車の通行を段階的に禁止し、2025年に完全禁止とすることが決議された。
フランス政府は2040年にディーゼル・ガソリン車の販売を禁止する政策を立てているが、ストラスブール市はこれに先立つ2025年をディーゼル車の終焉時期とした。クリステル・コーラー副市長は「ストラスブール市の公衆衛生状況は危機的で、ディーゼルへの対応を急がなければ成らない。ストラスブールは環境に優しいモビリティ政策を常に実践してきた」と語った。
今回決議された同市の決定事項の概要は以下のとおり。
- 2021年より「低排出ゾーン」を設定し、2022年にCrit’Air 5の車両の通行を禁止する。続いて、2023年にCrit’Air 4、2024年にCrit’Air 3、2025年にCrit’Air 2 の車両の通行を禁止する。ディーゼル車はCrit’Air 1に分類されていないため、Crit’Air 2の車両の通行禁止は、ディーゼル車の完全禁止を意味する。
- レーダーシステムを基本とした自動装置を設置することで新たな規則の遵守を確保する。
- 電気自転車の購入補助金、ライドシェアに関する奨励金、公共交通機関の利用促進のための「連帯」貢献価格制度、などの資金援助を提供する。一般家庭に加えて企業も対象とする。
なお、ストラスブール市を含むストラスブール大都市圏(ユーロメトロポール)でも同様の動きがあり、2021年よりCrit’Airのステッカーがない車両の通行禁止、2030年にディーゼル車の通行禁止がそれぞれ見込まれている。
【解説】Crit’Air : 車両の大気汚染物質の排出の程度に従い6段階に分類して示したステッカーで、パリ市においては2017年1月16日よりステッカーの貼付が義務化された。大気汚染時の交通規制区域においては、ステッカーの種類に従い通行が許可される。