中国福建省、「新エネ車駆動用バッテリーリサイクル体系構築実施計画(2020~2022年)」を公布――拡大生産者責任を明記

中国福建省工業情報化局など9つの行政機関は、2020年2月17日、「福建省で実施する新エネルギー自動車駆動用バッテリーリサイクル体系構築実施計画(2020~2022年)」を公布した。同計画の概要は、以下のとおりである。

 

  • 目標
  • 2022年までに、福建省全体において、駆動用バッテリーの生産、使用、貯蔵・輸送、回収、利用、廃棄、解体など各段階における管理水準および技術力を基本的に確立する。
  • 相応のカスケード利用技術および残留物質の無害化処理技術を備えるとともに、バッテリーの回収、処理、解体拠点を合理的に配置し、効果的なリサイクルのビジネスモデルを構築して、一連のモデルプロジェクトを立ち上げ、駆動用バッテリーの全ライフサイクルに対する管理監督を実現する。アモイ市において、リサイクルのモデルケースやモデルを確立する。

 

  • 適用範囲
  • 主にリチウムイオン駆動用バッテリーおよびニッケル水素駆動用バッテリーを含む駆動用バッテリーに適用。鉛バッテリーは適用範囲外。

 

  • 責任主体および範囲
  • 新エネルギー自動車の完成車生産(輸入)企業、駆動用バッテリー生産(輸入)企業、駆動用バッテリーカスケード利用企業などは、法に基づきその最終製品の廃棄後のリサイクル、情報公開、エコデザイン、再生原料使用などの拡大生産者責任を負う。
  • 駆動用バッテリーのライフサイクルの全プロセス(生産、使用、貯蔵・輸送、回収、利用、廃棄、解体)に関係する企業は、工業情報化部の「新エネルギー自動車駆動用バッテリーリサイクル遡及管理暫定規定」に基づき、企業内部の遡及管理体系を確立し、対応するバッテリー台帳を作成する。さらに、遡及管理プラットフォームでアカウントを申請し、遡及情報を直ちにアップロードするとともに、情報の真実性・正確性を確実に保証する。

 

  • 主な課題(一部のみ列挙)
  • 駆動用バッテリーの生産および使用における管理の強化
  • 駆動用バッテリー生産企業は、回収・解体が容易な構造で、環境に配慮した設計を施し、環境に優しく資源化利用の可能な材料や再生材料を使用する。
  • 新エネルギー自動車生産(輸入)企業は、バッテリーの構造、主要な材料、解体などの技術的情報を自主的に公表する。
  • 駆動用バッテリーの回収サービス拠点および回収能力の構築
  • 新エネルギー自動車生産企業や駆動用バッテリー生産企業は、さまざまな手段により、バッテリー回収ルートを共同で構築していく。新エネルギー自動車生産企業は、バッテリー回収能力を構築する。
  • 駆動用バッテリーの廃棄および取り外し・解体行為の規範化
  • 使用済みおよび廃棄駆動用バッテリーの統合利用産業体系の構築
  • 廃棄バッテリーのカスケード利用を奨励する。バッテリー回収ルートを自ら構築し、異なるタイプのバッテリーを組み合わせたカスケード利用技術やモデルの研究を実施するよう奨励する。
  • 先進的な技術の研究開発・応用の推進
  • リサイクル分野での地方標準の制改定

 

同計画では、駆動用バッテリー関連業界に対して、資金面を含む政策による支援を強化し、管理監督制度を確立していくなどの措置についても打ち出されている。

 

なお、「福建省で実施する新エネルギー自動車駆動用バッテリーリサイクル体系構築実施計画(2020~2022年)」の原文については、以下のURLより閲覧可能である(福建省公式ウェブサイトは閲覧できないため、下記の関連ポータルサイトで原文を参照のこと)(中国語簡体字)。

http://www.escn.com.cn/news/show-820330.html