中国工業情報化部、強制国家標準の「電気自動車用駆動用バッテリー安全要求」、「電気自動車安全要求」、「電気バス安全要求」を公布

2020年5月12日、工業情報化部が組織して策定してきたGB18384-2020《電気自動車駆動用バッテリー安全要求》、GB30381-2020《電気自動車安全要求》、およびGB38032-2020《電気バス安全要求》の3件の強制性国家標準が、国家市場監督管理総局および国家標準化管理委員会により承認・公布され、2021年1月1日より実施される。

これは、工業情報化部が、《省エネと新エネルギー自動車産業発展計画(2012-2020年)》、《自動車産業中長期発展計画》などの要求を着実に履行し、新エネルギー自動車産業発展の実際と技術の進歩要求を結合させるために、2016年より電気自動車安全三項目の強制性国家標準の策定作業を開始してきたものである。

それらの概要は次の通り:

《電気自動車安全要求》は、主に電気自動車の電気安全および機能安全要求を規定し、電池システムの発熱事故警報信号を追加して、初期段階で乗員に対して危険警告が出るようにするものである。また、完成車の防水、電気抵抗絶縁および監督制御に対する要求を強化し、車輛の正常使用、水中走行など状況下でのリスク低減を図るものである。更に、電気抵抗絶縁、コンデンサのカップリングなどの試験方法を合理化して、試験計測精度を向上させ、完成車の高圧電気系統の安全を保障することを狙いとしたものである。

 

《電気バス安全要求》は、電気バス乗車人数を多くし、電池容量を大きくし、さらに駆動効率を向上させるなど特殊な点に関して、《電気自動車安全要求》の標準を基礎として、電気バス電池貯蔵部分の衝突、充電システム、完成車防水検査の条件および要求に対して更に厳格な安全要求を提示したものである。また、高圧部品の防燃要求および電池システム最小単位の熱暴走審査要求を加え、電気バス火災事故のリスク防止能力を向上させるものである。

 

《電気自動車駆動用バッテリー安全要求》は、電池単体、モジュールの安全要求を適正化すると同時に、電池システムの熱安全、機械安全、電気安全および機能安全要求を重点的に強化し、テスト項目にはシステムの熱拡散、外部燃焼、機械衝突、衝突テスト、温湿度循環、振動撥水、外部ショート、加温過充電などを包括している。特に、同標準は電池システムの熱拡散検査を加えており、電池単体に熱暴走が発生した時、乗員が安全に逃げられるよう、電池システムが5分間は引火爆発が起きないよう要求している。

 

これら3件の標準は、中国電気自動車分野で初めての強制性国家標準であり、中国電気自動車産業の技術革新の成果と経験を纏めたもので、国際標準法規との十分な調整を実施して、新エネルギー自動車の安全水準の向上と産業の健全で持続的な発展の保障に対して重要な意義を持つものである。

 

なお、上記記事の原文については、以下のURLより閲覧可能である(中国語簡体字)。

http://www.caam.org.cn/chn/10/cate_110/con_5230207.html

(2020.05.21 TC)