ペルー運輸通信省、古い自動車の廃車奨励のための規則案を発表

ペルー運輸通信省は2020年6月16日、移動発生源からの汚染物質排出を削減して大気質を改善し、また交通安全のため、古い自動車の廃車を奨励する規則案を決議書No.0325-2020-MTC/01.02で発表した。本規則案は、廃車処分を奨励する緊急政令No.029-2019(2019年12月20日公布)の施行規則と位置付けられ、主に以下が規定されている。

 

  • 廃車処理のステップは、①自動車の書類検査、②自動車の実物検査、③有害物質や液体の抽出、⑤解体、⑥パーツの圧縮、⑦解体処分証明書の発行とする。

 

  • 廃車処理事業者の資格を得るためには、以下の要件を満たすこと。
  • 廃車処理事業者の許可を運輸通信省に申請する前に、環境省の固形廃棄物処理事業者としての許可を取得すること。
  • 自動車技術、電気技術、機械技術を専攻した大卒の管理職を有すること。
  • オンラインかつリアルタイムで、運輸通信省が管理する廃車事業者プラットフォームに登録できるソフトを有すること。

 

廃車処理にあたっては、以下の義務を遵守すること。

  • 廃車の解体や処理にあたっては、廃棄物の再利用を優先すること。
  • 廃車処理の各ステップを一日24時間週7日ビデオ撮影し、報告書と共にリアルタイムでプラットフォームに送信すること。ビデオ映像は4年間保持すること。
  • 処理の各段階の写真記録をとること。
  • 全てのプロセスが終了したら、証明書を発行すること。

 

その他、廃車の所有者へのインセンティブが規定されており、金銭によるインセンティブでは、受け取った金額を自由に使える場合と、当局が作成する廃車プログラムで規定される特定の用途にのみ使える場合が指定されている。また、非金銭的インセンティブでは、公共バス契約の入札における落札ポイント供与や、教育プログラムへのアクセスなどが指定されている。

 

規制監査機関は、環境評価・監査機関(OEFA)及び、陸上貨物及び乗客輸送監査局(SUTRAN)が担う。

 

本規則案は、以下のURLよりダウンロード可(スペイン語表記)。

https://cdn.www.gob.pe/uploads/document/file/855911/Reglamento_Chatarreo.pdf