2018年12月21日にシンガポール環境庁が発表したところによると、同国は2019年1月1日移行、新車の型式認証および「排ガス量に基づく車両スキーム(VES:Vehicular Emissions Scheme)」に使用する排ガスデータを取得するための試験方法として、「乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP:Worldwide Harmonized Light-Duty Vehicles Test Procedure」の受け入れを開始するという。
なお、自動車産業がWLTPへの移行に対応するまでの期間については、現行受け入れている欧州のNEDC(新欧州運転サイクル)と日本のJC08モードの結果も継続して受け入れるという。今回の動きは、欧州および日本がWLTPへの移行を進めている状況を受けたもので(日本は2016年10月にWLTPへの移行を発表、2018年10月よりWLTPへ全面移行)。各々の測定方法の違いは以下のとおり。
NEDC | JC 08 | WLTP | |
試験期間 | 20分 | 20分 | 30分 |
試験距離 | 11km | 8.2 km | 23.25 km |
試験フェーズ | 2フェーズ 市街地の走行 66% 郊外の走行 34% |
2フェーズ 市街地の走行 80% 郊外の走行 20% 実際の運転パターンの反映度が低い。 |
流動的な4フェーズ 市街地の走行52% 郊外の走行 48% より実路走行を反映している。 |
NEAは、今後とも排ガス試験に関する国際的な発展を注視するとともに、国内の自動車産業との協力の下、WLTPに長期的に移行していくとしている。その詳細は準備が出来次第、発表される予定である。移行期間については、新車の型式認証とVESの下での排ガス中の汚染物質の報告については、WLTP、NEDC、JC08のデータが受け入れられる。