フィリピン、公用車の調達基準に関する行政命令を制定――環境性能を指針のひとつとして盛り込む

2018年12月13日にフィリピン政府報道局(PNA)が発表したところによると、フィリピンのドゥテルテ大統領は12月10日、公用車の調達基準を制定する行政命令(AO)第14号に署名した。これにより同国では、公用車の調達達基準に経済性、燃費効率に加え、環境性能が盛り込まれることとなった。また本AOは、すべての政府機関に対し高級車およびSUVの購入を禁じる方針(2008年AO第233号)を改めて明確にするとともに、大統領が掲げる「運用に規模の経済を採り入れる」との目標に合致した中央一括政府調達システムを規定している。

 

本AOの主立った概要は以下のとおり。

 

第1方針

国家政府は、最も効率的で経済的な手法により、経済性、燃費効率、および環境性能が最も高い自動車の調達を行う方針を採用する。

 

第2適用

適用対象は、全ての国家政府関連機関(国営企業や政府支配下企業、政府系金融機関、国公立大学などを含む)、ならびに地方自治体とする。

 

第3高級車またはSUVの購入禁止

調達が禁じられる高級車/SUV車の定義を規定。例えば、セダンまたはハッチバックの「高級車」とは、ガソリン車であれば排気量が2500cc超のもの、ディーゼル車であれば排気量が3500ccまたは4気筒を超えるものをいう。また、2700cc以上のガソリンエンジンを搭載したSUV車も「高級車」とする。

 

第4適用範囲外の車両

大統領の護衛用車両など、本AOが適用されない車両を規定。

 

第5承認機関

調達機関および車両の使用目的ごとに、調達を承認する機関を規定する。原則、すべての国家政府関連機関の調達の他、地方自治体の調達であって国家予算から支出の必要があるものは、行政管理予算局(DBM)の局長が承認を行う。地方自治体が独自の予算のみで公用車を調達する場合は、首長(プノン・バランガイ=村長を含む)が承認を行う。

 

第6中央一括調達システム

購入が承認された公用車の実際の調達手続きは、行政管理予算局(DBM)が共和国法第9184号(「政府調達改革法」)に従って一括して実施する。特殊車両についての例外も規定。

 

第7代替燃料の推奨

政府は、各機関に対し、バイオ燃料、天然ガス、太陽光・電力などの代替燃料・エネルギーを使用する車両の調達を推奨する。

 

第8調達資金

公用車を調達するために必要な資金については、各機関が予算確保しておかなくてはならない旨などを規定。

 

第9実施規則

本AOの施行から60日以内に、DBMは公用車調達の要求承認に関するガイドラインについて、政府調達方針委員会(GPPB)は中央一括調達システムについて、実施規則をそれぞれ制定しなくてはならない。

 

なお、本AOの原文は以下から参照可能である。

https://www.officialgazette.gov.ph/downloads/2018/12dec/20181210-AO-14-RRD.pdf