香港環境保護署、環境対応型業務用自動車の認定基準を強化

香港には、業務用自動車が一定の環境基準を満たしている場合に環境対応型として認定し、その認定をうけた自動車に対し、電気自動車などと同様に初回登録税(FRT)の軽減措置を適用する制度がある。香港環境保護署(EPD)は2019年1月2日、環境対応型業務用自動車の認定基準を同年4月1日から以下のように強化することを発表した。

 

業務用重量車(設計重量3.5トン超):

  • 次項のバスおよびマイクロバスを除く業務用重量車については、認定基準を現行の「Euro VI車載診断(OBD)フェーズA/Bの条件を満たし、かつ窒素酸化物(NOx)の排出がEuro VIの定める限度の70%以下であること」から強化し、「Euro VI OBDフェーズCの条件を満たし、かつNOxの排出がEuro VIの定める限度の70%以下であること」とする。
  • 設計重量が9トン以下のバスおよび設計重量が5トンを超えるマイクロバスについては、Euro VI準拠という現行の認定基準の変更はおこなわない。

 

業務用軽量車(設計重量3.5トン以下):

  • 次項のタクシーを除く業務用軽量車については、「Euro 6b OBD Euro 6-1の条件を満たし、かつNOxの排出がEuro 6の定める限度の50%以下であること」という現行の認定基準の変更はおこなわない。
  • タクシーについては、認定基準を現行の「Euro 6b OBD Euro 6-1の条件を満たし、かつNOxの排出がEuro 6の定める限度の50%以下であること」から強化し、Euro 6c OBD Euro 6-2の条件を満たし、かつNOxの排出がEuro 6の定める限度の20%以下であること」とする。

 

認定基準強化の背景:

今回EPDが環境対応型業務用自動車の認定基準を強化した背景には、非認定車の環境性能の向上がある。たとえば、新規登録する業務用重量車の法定排ガス基準は一部の例外を除き2019年4月1日からEuro VI OBDフェーズCに、また、新規登録するタクシーの法定排ガス基準は2019年9月1日からEuro 6c OBD Euro 6-2に引き上げられることになっており、これよりも環境面ですぐれた車に対してFRT軽減措置を適用するためには、環境対応型の認定基準も引き上げる必要があった。

 

なお、この件に関する環境保護署の報道発表は以下のURLで読むことができる。

https://www.info.gov.hk/gia/general/201901/02/P2019010200342.htm