ベトナム、車両の排ガスを対象とした環境保護費の徴収を計画

2018年12月21日に現地で報じられたところによると、ベトナム財務省は天然資源環境省、交通運輸省、および農業農村開発省に対し、かねてから要請している車両排ガスに対する環境保護費の賦課計画について、作成を急ぐよう促した。

財務省は、これらの省庁から提出された計画に基づき、具体的な金額や計算方法、徴収方法、徴収した費用の用途などを決定し、政令案にまとめるとしている。財務省としては、関係省庁が12月31日までに計画をまとめることを期待しており、政令案を作成する上では各省庁の下位機関の協力も得たいとしている。

■ 過去の経緯:
2018年10月16日、Vuong Dinh Hue副首相は財務省に対し、政府が提案した排ガスに対する環境保護費の賦課計画について、内容を検討し、さらに関連省庁と連携の下で政令案を作成するよう指示した。

これを受けて財務省は、天然資源環境省および交通運輸省に対し、当該環境保護費の徴収に関する計画案を作成するよう正式な文書をもって要請した。しかし両省はこれまでのところ、この要請に応えていなかった。

ベトナム科学技術連合会(Vietnam Union of Science and Technology Associations)・気候変動レジリエンスセンターのVu Trung Kienセンター長は、ベトナムの大気汚染は憂慮すべき水準に達しており、早急な対策が必要だと述べた。しかし、環境税を賦課する上で、政府は関連する規制や社会経済的状況を検討するべきだと同センター長は指摘している。

また、経済専門家のNgo Tri Long氏は、財務省が排ガスを対象として環境保護費を賦課するにあたっては、車両の所有者にはすでに燃料を通じて多くの税(輸入税、物品税、環境保護税、特別消費税等)が課せられていることに留意すべきだとコメントした。