2019年2月17日、米国エネルギー省(DOE)は、バッテリーリサイクル賞とバッテリーリサイクル研究開発センターを立ち上げたとアナウンスした。この二つは、消費者用、防衛用、エネルギー貯蔵用、および輸送用機器に使用されているリチウムベースのバッテリーからコバルトやリチウムなど重要な材料を回収・リサイクルすることを目的としている。現在米国では、こういった材料は5%以下しか収集・リサイクルされていないが、この賞と研究開発センターの目標は、米国のリチウムベースのバッテリーの90%以上を経済的に回収するための技術を開発することを目標としている。
バッテリーリサイクル賞
バッテリーリサイクル賞では、合計550万ドル(約610億円)の賞金を出し、米国の企業による、廃棄されたリチウムイオン電池を収集、貯蔵、輸送、最終的にはリサイクルする革新的な開発のコンセプトからプロトタイプ、実証実験まで3つのフェーズを支援する。
リチウムバッテリー研究開発リサイクルセンター
1500万ドル(約16億5000万円)の投資を行い、リチウムバッテリーの原料を回収するためのコスト効果の高いリサイクリングプロセスに焦点を絞ったリチウムバッテリー研究開発リサイクルセンターの設立も発表された。同センターは国立再生可能エネルギー研究所、オークリッジ国立研究所とともにアルゴンヌ国立研究所が主導する。
DOEは、こういった貴重な材料を海外に依存していることは、エネルギー安全保障、および国家安全保障に危機をもたらすものであると考えている。DOEは、革新的なリサイクル技術を開発するため、民間部門、大学、および国立研究所の競争力とリソースを活用する予定で、その結果経済成長を加速し、米国のエネルギー安全保障を強化し、環境を改善すると述べている。2017年12月20日に発表された大統領令13817でもその重要性が述べられていた。
DOEのアナウンスメントは以下のURLで見ることができる。