英国、2019年代替燃料ラベル表示と温室効果ガス排出規則を制定

英国の「2019年代替燃料ラベル表示と温室効果ガス排出(種々の改正)規則」が2019年3月4日に英国議会に提出され制定された(以下のURLに同規則)。

http://www.legislation.gov.uk/uksi/2019/421/pdfs/uksi_20190421_en.pdf

本規則のパート1から3はおもに、EUの代替燃料インフラ配備に関する2014年10月22日のEU指令2014/94/EUの第7条(ユーザーへの情報提供)第1項、第2項、そして第4~6項の要求事項を国内実施するものである。同指令第7条の目的は、自動車燃料タイプに対するラベル表示を標準化することにある。詳細は次のとおり。

 

  • パート2は、代替燃料に関する情報をユーザーに明確に提供するため、固定給油設備に対する次のラベル表示を、2019年9月1日から小売業者に義務付けるものである(EXのXの箇所には、最大エタノール濃度を数字で記載。BXのXの箇所には、最大脂肪酸メチルエステル(FAME)濃度を数字で記載)。

自動車メーカーとの関連では、自動車に使用可能な代替燃料のタイプに関する明確な情報を提供するため、自動車に次のようなラベルを表示するとともに、取扱説明書にもその情報を盛り込むよう、2020年4月1日からメーカーに義務づける(EXとBXは上記どおり。XTLはパラフィン系ディーゼル油)。さらに、自動車ディーラーにも、自動車で使用可能な代替燃料タイプに関する明確な情報をユーザーに提供するとともに、自動車メーカーが加えた次のラベルを剥がさないよう義務付ける。

 

(2) パート3は、執行と罰則に関する規定を定めている。

(3) パート4は、「2012年英国自動車燃料(道路車両と移動機械)GHG排出量報告規則」を改正するものである。同規則は、道路車両と移動機械向けの燃料供給者に対し、それら燃料のGHGガス強度と、供給したバイオ燃料の持続可能性を報告するよう義務づけている。今回の改正は2019年3月22日から、2019年に発生した上流排出物(upstream emissions)の削減から生じたGHGクレジットの請求を、特定の供給事業者に認めるものである。上流排出物とは、原料が精製所や加工施設に入る前に発生したGHG排出量のことである。