韓国産業通商資源部の傘下機関である技術標準院は2019年3月上旬、韓国済州(チェジュ)にて、7ヵ国の40名のEV用バッテリー専門家を対象に、電気自動車バッテリーの安全性を強化するための国際標準化会議を開催した。
技術標準院は、現在EV用バッテリーの安全性基準及び評価方法などに対して、国際標準の論議は初期段階であると説明し、この時点から国際標準化の動向を企業と共有し、韓国の技術を標準化に反映するため、こうした標準化会議を開催したと述べた。
この会議は、「電気自動車リチウムイオン電池のセル&パックの安全基準及び評価方法の改定」を案件として、韓国の技術標準院、自動車部品研究院、自動車工学会、電池協会が主催したものである。
今回の会議では、リチウムイオンバッテリーが事故などにより発火した場合、人が適正時間内に車から脱出できるよう、熱の転移と拡散を遅延できる方法とその基準について論議が行われた。そのために、各国のバッテリー及びEV関連企業が協力し、熱の転移と拡散現象をシミュレーションできる方案を開発した上で、安全基準と評価方法を2020年までに策定する計画である。また、今回の会議では、LG化学、Samsung SDI、SK、GS YUASA、CATL、BMW、Audi、Volvo、Renault、TOYOTA、HONDAなどの企業関係者が参加し、「EVのエネルギー貯蔵装置(ESS)安全基準(ISO 6469-1)」と「リチウムイオン電池セルの短絡試験方法(IEC 62660-4)」の2種国際標準の改定について論議が行われた。技術標準院は、現在システム的にバッテリーセルの内部短絡(ショート)を防ぎにくく、その結果、発火により熱が転移する際の試験評価方法について、国際標準化が推進されていると説明した。技術標準院は、韓国ではセル外部に存在するヒーターを使い、熱の転移・拡散をシミュレーションして、安全性基準及び試験評価方法を提案していると説明し、2019年11月に開催される国際標準化会議では、国際標準案として正式に提出すると発表している。
技術標準院は、韓国主導でバッテリーの安全性の試験方法が標準化されれば、国産バッテリーの製品競争力が向上すると期待しており、今後バッテリーメーカーと自動車メーカー、電池協会などとパートナーシップを締結し、標準協議体を構成及び運営すると説明している。