米環境保護庁(EPA)は2019年3月6日、「2018年EPA自動車トレンド・レポート:1975年以来の温室効果ガス排出、燃費、および技術」と題する報告書を公表した。この報告書には、EPAが以前に「軽量車の技術、二酸化炭素排出、および燃費のトレンド・レポート」と「軽量車の温室効果ガス排出基準に関するメーカー実績報告書」というふたつの報告書として公表していた内容も含まれており、軽量車の燃費や温室効果ガス(GHG)排出などについてのより総合的なトレンドがわかるようになっている。
トレンド・レポートのハイライト:
EPAは、このトレンド・レポートのなかで特に注目すべき内容として以下の8点を挙げている。
- 2017年式新車の実CO2排出率は前年式車よりも3グラム/マイル減少して357グラム/マイルと、これまでの記録を更新した。また、実燃費も2マイル/ガロン増えて24.9マイル/ガロンと、これも記録を更新した。
- 大手自動車メーカー13社のうち12社が、2012年式から2017年式にかけて実CO2排出率と実燃費を改善した。
- スポーツタイプ多目的車(SUV)の市場占有率はひきつづき伸びて2017年式車では市場の43%を占めた。このうちトラックSUV(規制上、ライト・トラックに分類されているSUV)のCO2排出率と燃費は過去の記録を更新した。
- 新車の平均燃費と平均馬力は伸びつづけているが、平均重量に大きな変化はない。
- 自動車メーカーは、CO2排出率、燃費、および性能の向上のため、ひきつづき広範な先進技術の採用を進めている。
- すべての大手自動車メーカーが、2017年式車まで途切れることなくGHG排出基準を満たしてきた。
- ほとんどの大手自動車メーカーが、技術と排出クレジットを組み合わせて2017年式車のGHG排出基準をクリアした。
- 2017年式車の時点で自動車業界全体でおよそ250テラグラムの排出クレジットが貯まっており、これを2018年式以降の車に活用することができる。
なお、EPAの2018年版自動車トレンド・レポートは以下のURLで読むことができる。
https://www.epa.gov/sites/production/files/2019-03/documents/420r19002.pdf