米CARB、違反自動車燃料を供給した2社に約100万ドルの反則金

米カリフォルニア州大気資源委員会(CARB)は2019年6月3日、George E. Warren Corp.とShell Pipeline Co.が同州の規制に違反した自動車燃料を供給したとして、両社に合わせて103万5000ドル(約1億1210万円)の反則金を科したことを明らかにした。内訳は、George E. Warrenが73万5000ドル(約7980万円)、Shell Pipelineが30万ドル(約3300万円)である。

 

違反の内容――オレフィン濃度が規定超え:

この違反は、CARBがロサンゼルス港で輸入貨物に対して実施している通常の抜取検査で発覚した。検査の結果、George E. Warrenが輸入したおよそ1100万ガロンの自動車燃料のオレフィン濃度がカリフォルニア州改質ガソリン規制の基準を超えていることが判明した。George E. Warrenはこの自動車燃料をShell Pipelineに販売し、Shell Pipelineはそれを市場に流通させた。

オレフィンは二重結合をひとつもつ脂肪族鎖式不飽和炭化水素で、日光に反応してスモッグの原因となる。ガソリン中のオレフィン濃度を下げることにより、スモッグを減らすとともに排ガス中の有害物質である1,3-ブタジエンの量も減らすことができる。

 

両社の対応:

George E. WarrenとShell Pipelineは、違反が判明するとただちに問題の自動車燃料の輸入と販売を中止した。CARBの推計では、実際にガソリン・スタンドで売られた違反燃料はおよそ130万ガロンだという。残りの燃料はブレンドしなおし、CARBがその適法性を判断したのち、販売を許された。

両社は、科せられた反則金103万5000ドルのうち、50万1327ドル(約5427万9200円)を州の8つの補完的環境プロジェクトへの出資により相殺することに同意した。これらプロジェクトは、空気濾過、健康と大気汚染の研究、コミュニティの大気モニタリング、ディーゼル車による汚染のホットスポットの特定などをテーマとしており、サンホアキン・バレーおよびサンディエゴの恵まれないコミュニティにおける健康と教育の改善、および曝露低減プロジェクトへの資金提供を目的としている。

 

なお、この件についてのCARBの報道発表は以下のURLで読むことができる。

https://ww2.arb.ca.gov/news/two-petroleum-suppliers-pay-1-million-clean-air-violations