台湾経済部、改正された「車両許容消費エネルギー基準および検査管理弁法」を公告――WLTC試験モードやEV関連規定を追加

台湾経済部は、2020年2月5日、改正された「車両許容消費エネルギー基準および検査管理弁法」を公告した。同弁法は、公布日より施行される。自動車の許容消費エネルギー基準(MEPS:Minimum Energy Performance Standard)や※、その検査方法などについて規定した同弁法の今回の主な改正箇所は、以下のとおりである。

  • 【例】ガソリン・ディーゼル車の米国FTP-75モードにおけるエネルギー効率基準値。総排気量1200cc以下の車両:2km/L。

 

試験モードの追加 l  改正前の規定では、試験モードとして選択可能なのは「NEDC」※1のみであったが、改正法では、「WLTC」※2または「NEDC」のいずれかから選択できるように改められた【第4条、第6条、第11条】。

※1 NEDC:New European Driving Cycle(新欧州ドライビング・サイクル)

※2 WLTC:Worldwide harmonized Light duty driving Test Cycle(乗用車などの国際調和排出ガス・燃費試験法)

試験結果に関する規定の改正 l  現行法では、同一の車両試験モードにおける試験結果については、エネルギー効率標準および汚染物質排出標準を同時に満たしている必要があると規定されていたが、改正法では、同一の検査測定機関で車両を試験し、かつ、いかなる調整も加えていない場合には、同一または異なる車両試験モードにより、エネルギー効率標準および汚染物質排出標準への適合について、それぞれ試験できると改められた【第19条】。
電気自動車のエネルギー効率関連規定の追加 電気自動車のエネルギー効率表示および表示の内容、試験・再試験の試験方法、試験手順、エネルギー消費証明書の申請時に添付すべき書類などの規定が追加された【第9条~第11条、第20条】。以下は、今回追加された第9条の条文である。

2022年1月1日以降、製造業者は、その製造または輸入する電気乗用車・小型トラック・ワゴン・バイクにエネルギー効率を表示すること。

n  前項のエネルギー効率表示では、以下の内容を明記すること。

Ÿ  年間電力消費量

Ÿ  車両のタイプ

Ÿ  ブランド

Ÿ  認証車種

Ÿ  エネルギー効率値(試験方法、試験値を含む)

Ÿ  航続距離(試験方法、試験値を含む)

※   表示の様式については、中央主管機関により公告すると定められている。

他国の基準適合車に関する規定の追加 l  製造国の特定の二酸化炭素排出(燃料効率)基準を満たし、少量製造するブランド車両については、台湾における少量自動車エネルギー効率管理制度に加える条件とするという規定が追加された【第4条】。

なお、今回改正された「車両許容消費エネルギー基準および検査管理弁法」の原文については、以下のURLより閲覧可能である(中国語繁体字)。

https://gazette2.nat.gov.tw/EG_FileManager/eguploadpub/eg026020/ch04/type1/gov31/num4/Eg.htm