2020年6月15日、工業情報化部など多部門は連名で『「乗用車企業平均燃料消費量及び新エネルギー自動車クレジット並行管理弁法」の改正に関する決定』を発表し,2021年以降の乗用車「ダブルクレジット」管理要求を一段と明確にした。本改正決定は2021年1月1日より施行される。
2017年12月、工業情報化部等の5部門は共同で『乗用車企業平均燃料消費量及び新エネルギー自動車クレジット並行管理弁法』を公表し、二種類のクレジットを設立して「ダブルクレジット」と略称した。ダブルクレジットというのは、乗用車企業平均燃料消費量と新エネルギー自動車クレジット並行管理弁法に照らして、自動車メーカーは全て新エネルギー自動車を生産する必要があることになった。すなわち、乗用車企業にとって、平均燃料消費クレジット計算と新エネルギー自動車クレジット計算をそれぞれ行い、平均燃料のマイナスクレジットを新エネルギー自動車のプラスクレジットで帳消しできるとともに、賞罰によって自動車企業が早急に製品省エネ目標を達成するように強制的に推し進めるもので、省エネ・燃費削減及び新エネルギー自動車の推進という二つの目標を実現させるというものである。
元の「ダブルクレジット」政策と比べ、今回の新政策には三大変化がある:
1.先ず、従来の乗用車の省エネを導く措置を増加した。企業に省エネ技術研究への投資を増加させるために、低燃料消費車種を生産または供給する企業に対して新エネルギー自動車クレジット基準達成値を計算する際に優遇措置を与える。燃料消費基準達成要求が年々厳しくなっていくに連れ、低燃料消費量標準に合う車種の技術対応の難度とコストが次第に高まっている実情を考えると,2021年から2023年まで低燃料消費車種計算優遇強度を徐々に高め、低燃料消費乗用車生産量或は輸入量をその数量の0.5倍、0.3倍、0.2倍で計算する。
2.次に、新エネルギークレジット査定指標を調整し、先進な新エネルギー自動車製品の発展を推奨する。新エネルギー自動車クレジット査定指標はクレジット比率要求と車一台あたりのクレジットが含まれていて、これは企業新エネルギー自動車発展要求を決める重要指標でもある。新政策は2019年、2020年クレジット比率を基礎に,続いて2021年から2023年まで14%、16%、18%というクレジット比率要求を出した上,車一台あたりのクレジットを全体的に20%~30%下げ、新エネルギー自動車発展にモチベーションと制度保障を提供するものとなっている。
3.第三に、新エネルギー自動車クレジット適応性措置を改善し、関連企業認定条件を充実させた。クレジットの需給バランス崩れによるリスクを下げ、クレジット価格を保障するために,新政策は企業伝統燃料乗用車省エネレベルと新エネルギー自動車プラスクレジットを繰越す関連メカニズムを打ち立て、企業伝統燃料乗用車燃料消費量が一定のレベルに達した場合、その新エネルギープラスクレジットを50%の比率で後に繰越せる。同時に、同一外国親会社傘下企業の合弁企業間、国内自動車企業および株式保有している国外生産企業が対応する授権輸入サプライヤー間の平均燃料消費量クレジット譲渡を認めるものとなっている。
そのほか、年間生産量2000台以下で生産、研究開発と運営が独立している国内乗用車生産企業、また輸入量2000台以下で国外乗用車生産企業に授権された輸入乗用車サプライヤーに対して政策が緩められたところがある。新政策は、該類企業(該類企業とは、前記の“年間生産量2000台以下で生産、研究開発と運営が独立している国内乗用車生産企業”および“ 輸入量2000台以下で国外乗用車生産企業に授権された輸入乗用車サプライヤー”を指す)2021年度から2023年度までの平均燃料消費量が前年度と比べて4%以上下げたものに対し、その基準達成値を『乗用車燃料消費量評価方法および指標』に規定された企業平均燃料消費量要求を基礎に60%緩和してあげるとしている;下げた分が2%以上4%未満の場合は、その基準達成値を30%緩和してあげると規定している。
『「乗用車企業平均燃料消費量及び新エネルギー自動車クレジット並行管理弁法」の改正に関する決定』の中国語原文は、以下の工業情報化部ウェブサイトで見ることができる。
http://www.miit.gov.cn/n1146295/n1652858/n1652930/n3757018/c7981973/content.html