米連邦政府とカリフォルニア州、Fiat Chryslerと和解

自動車メーカーFiat Chrysler Automobiles N.V.、FCA US、およびその傘下の複数の企業(以下、総称してFiat Chrysler)が米国内で販売またはリースしたディーゼル車に違法なディフィート・デバイス――有害物質の排出を排ガス試験時だけ減らす装置やソフトウェア――を搭載していたとして訴えられていた件で、環境保護庁(EPA)は2019年1月10日、同庁および司法省ならびにカリフォルニア州と、Fiat Chryslerとの和解が成立したことを明らかにした。

 

和解の内容:

この和解にもとづき、Fiat Chryslerは米国内で販売またはリースした10万台を超える違法ディーゼル車――3.0リットルEcoDieselエンジンを搭載した2014~2016年式 Ram 1500およびJeep Grand Cherokees――をリコールして修理し、それら車両の保証期間を延長するとともに、3億500万ドル(約333億円)の制裁金を支払うことになった。

Fiat Chryslerはさらに、それら違法車による大気汚染を埋め合わせる環境負荷軽減のための連邦規模のプログラムを実施する。リコールと連邦規模の負荷軽減プログラムには最大で1億8500万ドル(約202億円)を要すると見積もられている。

このほか、カリフォルニア州との和解で、Fiat Chryslerは違法車による同州内の大気汚染を埋め合わせる環境負荷軽減プログラムを、1900万ドル(約21億円)をかけて実施する。さらに、税関・国境警備局との行政合意にもとづき、1700台の違反車を違法に輸入したことに対して600万ドル(約6億6000万円)の制裁金を支払う。

 

刑事責任の可能性は消えず:

今回の和解は、Fiat Chryslerが刑事責任を問われる可能性を何ら消滅させるものではない。また、この和解は、ユーザー等からのクレームや訴訟を何ら解消するるものでもない。

 

なお、この和解についてのEPAの報道発表は以下のURLで読むことができる。

https://www.epa.gov/newsreleases/civil-settlements-united-states-and-california-fiat-chrysler-settle-allegations