米CARB、排ガス関連の違反でFiatと和解――制裁金640万ドル

米カリフォルニア州大気資源委員会(CARB)は2019年4月17日、Fiat Powertrain Technologies Industrial S.p.Aが排ガス関連の違反を犯していたとされる件で同社と和解に達したことを明らかにした。この和解により、Fiatは道路走行車両とオフロード車両合わせておよそ2000台をリコールするとともに、制裁金640万ドル(約7億1000万円)を支払うこととなった。

 

違反の内容――未承認のフィールド・フィックスなど:

Fiatは、CARBの認証をうけた2011~2014年式道路走行車両エンジンにオイル漏れの問題が生じたことから、これらエンジンの修理・改造をおこなった。販売済みの車両のこうした修理・改造は「フィールド・フィックス」と呼ばれ、これが排ガスに関連する場合は、修理・改造によって排ガスに悪影響が出ないよう、事前にCARBに届け出て審査・承認をうけなければならないことになっている。

ところがFiatは、このフィールド・フィックスが排ガスに関連したものであるにもかかわらず、事前の届出をおこなうことなくそれを実施し、そのことを事後(2015年)にCARBに報告した。同社はまた、2014~2016年式オフロード車両エンジンの適合証明を、誤った排ガス・データを用いておこなったことも明らかにしている。

 

制裁金の使途:

上述のように、この和解によってFiatにはリコールとともに640万ドルの制裁金の支払いの義務が課せられたが、この制裁金の使途は以下のとおりである。

 

  • サンフランシスコ・ベイエリアの学校、高齢者センター、病院など、大気汚染の影響をうけやすいひとびとを対象とした施設に空気濾過システムを設置する補完的環境プロジェクトに200万ドル(約2億2000万円)。
  • 大気汚染に関する研究と教育のために大気汚染防止基金に440万ドル(約4億8000万円)。

 

なお、この和解についてのCARBの報道発表は以下のURLで読むことができる。

https://ww2.arb.ca.gov/news/fiat-pays-64-million-penalty-diesel-emissions-violations