米CARB、オフロード・レクリエーショナル・ビークルのレッド・ステッカー・プログラムを廃止へ

米カリフォルニア州大気資源委員会(CARB)は2019年4月25日、オフロード・レクリエーショナル・ビークル(OHRV)を対象としたオゾン生成物質排出規制緩和措置――レッド・ステッカー・プログラム――を段階的に廃止することを決めた。これにより、全地形対応車(ATV)やモトクロス・バイクは将来、オゾン生成物質排出規制の適用除外をうけることができなくなる。

 

レッド・ステッカー・プログラム:

CARBは1994年にOHRVの排ガス基準を制定したが、この基準が施行される前の1997年に、この基準が厳しすぎて実際にはこれを満たすことのできるOHRVはほとんどないのではないかとの懸念が関係者らから表明され、CARBはこれをうけて、業界との協力のもと、基準を満たさないOHRVの販売や使用などを条件付きで認める制度を創設した。これがレッド・ステッカー・プログラムである。

このプログラムにより、排ガス基準を満たさないOHRVは2003年式車から赤色の登録ステッカーを貼ることになり、これを貼った車両はオゾンなどの光化学オキシダントが多く発生する時期には走行できる地域などが限定されることになった。現在、カリフォルニア州ではおよそ100万台のOHRVが登録されており、その20%にあたるおよそ20万台に赤色の登録ステッカーが貼られている。

 

今後の予定:

今回のCARBの決定により、赤色ステッカー車の登録は2022年に廃止される。2025年からは夏季の走行規制が撤廃され、2027年までにより厳しい排ガス基準が新たに施行される。ただし、競技車両は連邦政府の環境保護庁(EPA)が所轄しているので、今回の決定の対象外である。

このCARBの決定に対し、業界からはスケジュールが急すぎるとの声があがっている。カリフォルニア二輪自動車ディーラー協会のJohn Paliwoda会長は、赤色ステッカー車の登録が2022年に廃止されるとすでにある在庫の販売ができなくなり、そうなるとディーラーは財政的に厳しい状況に立たされるとして、赤色ステッカー車登録廃止などの1年先送りを求めている。