米カリフォルニア州上院は2019年5月20と同29日に、ディーゼル・トラックの規制を強化する2法案を相次いで可決して下院に送付した。5月20日に可決されたのは「中・大型車両:総合戦略法案」(SB 44法案)、同29日に可決されたのは「大型車両の検査・保守プログラム法案」(SB 210法案)である。
SB 210法案:
カリフォルニア州では、乗用車はすべて2年ごとにスモッグ・チェックといわれる排ガス試験をうけなければならないことになっているが、トラックに関しては、すべての車両を対象に同様の規則が定められているわけではない。SB 210法案はカリフォルニア州大気資源委員会(CARB)に対し、重量が1万4000ポンド(約6.4トン)を超えるすべてのディーゼル・トラックを対象とした同様の試験プログラムの策定・実施を義務づけるものである。
法案提案者のConnie Leyva州上院議員は、この法案が通って州法として成立すれば、今後10年間で37万5000台のトラックを道路から排除したのと同等の効果が生まれるだろうと述べている。
CARBの見積では、このプログラムを完全実施してその費用を料金徴収でまかなう場合、必要金額は年間660万ドル(約7億2000万円)になるという。また、カリフォルニア・ハイウェイ・パトロールは訓練、検問、および取締りに900万ドル(約9億8000万円)が必要だとしている。
SB 44法案:
この法案はSB 210法案のさらに先を行き、大気汚染物質を排出するトラックにより厳しい制限を設けようとしている。SB 44法案はCARBに対し、中・大型トラックをゼロ・エミッション・ビークル(ZEV)などのよりクリーンな技術と燃料による車両に転換するための戦略の策定・実施を義務づけるものである。
この法案はまた、温暖化ガス削減基金の資金を上記の戦略に使用することを求めている。
SB 210法案のテキストは以下のURLで読むことができる。
http://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billTextClient.xhtml?bill_id=201920200SB210
SB 44法案のテキストは以下のURLで読むことができる。
http://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billNavClient.xhtml?bill_id=201920200SB44