米環境保護庁(EPA)は2020年1月21日、大型トラックの窒素酸化物排出規制の強化をめざすクリーナー・トラック・イニシアチブ(CTI)について、そのための新たな規則の制定に向けた規則制定案事前通知(ANPR)を官報で公表した。
このANPRは、道路走行する重量車両からの窒素酸化物(NOx)などの汚染物質の新たな排出基準の制定に向けたEPAの計画、およびエンジン・メーカーが認証をうけるための手続きの簡素化やそれによるコスト削減の諸方策について述べている。
EPAがこうした規則制定に向けて動き出した背景として、州や自治体の大気質規制当局を含む20余りの組織からNOx排出基準強化を求める請願があったことを挙げることができる。
今回の規則制定案策定における基本原則:
このANPRでEPAは、規則制定案策定における基本原則として以下のものを示している。
- 広範な運転条件のもとでの使用過程における排出量を減らす。
- コストへの影響を慎重に考慮しつつ、効果的な技術的ソリューションを検討して実現へ向けた取組をおこなう。
- 公正で効果的な遵守条項や取締り条項を策定する。
- 期限前の遵守やイノベーションに対して優遇策を設ける。
- 50州すべてが参加する調整のとれたプログラムを確立する。
- 利害関係者を巻き込んだ活動を展開する。
CARBの動向も視野に:
EPAはCTIのための新たな規則の制定にあたって、カリフォルニア州大気資源委員会(CARB)が重量車両のNOx排出規制強化のためにはじめた技術的調査についても注意深く見ていくとしており、今回の意見募集でも、CARBによる採用が予想される規制条項と同様の定めをEPAも採用するべきかどうかについての見解も求めている。
なお、この件に関するEPAの報道発表は以下のURLで読むことができる。
https://www.epa.gov/newsreleases/epa-jumpstarts-administrator-wheelers-cleaner-trucks-initiative
また、この規則制定案事前通知の官報掲載のテキストは以下のURLで読むことができる。
https://www.govinfo.gov/content/pkg/FR-2020-01-21/pdf/2020-00542.pdf