2020年4月30日、「2021~2026年式乗用車および小型トラックのより安全で無理なく買え、燃費のよい(SAFE)自動車規則」(SAFE自動車規則)が連邦官報にて公布された。発効日は2020年6月29日となっている。米運輸省国家道路交通安全局(NHTSA)と環境保護庁(EPA)は、2020年3月31日に規則内容を固めたことをそれぞれ公表していた。SAFE自動車規則は、軽量車を対象としたこれまでの二酸化炭素排出基準と燃費基準を改正するもので、この規則によりEPAは、2021年式以降の軽量車の二酸化炭素排出基準を改正している。また、NHTSAは、この規則によって2021年式軽量車のメーカー別平均燃費(CAFE)基準を改正するとともに、2022~2026年式軽量車のCAFE基準を新たに定めている。
SAFE自動車規則のおもな内容:
SAFE自動車規則の内容のうち、おもなものを以下に示す。
- 毎年5%の厳格化:2026年式車まで、CAFE基準と二酸化炭素排出基準を、1年ごとに1.5%ずつ厳格化していく。2018年8月のSAFE自動車規則案では、NHTSAとEPAは望ましい選択肢として、2020年式車の基準を2026年式までそのまま適用することを提案していた。だが、これは最終規則の段階でより厳格な方向へ修正されたことになる。
- 2030年式車では1マイル当たりの二酸化炭素排出基準が業界平均201グラムに:この最終規則の定める二酸化炭素排出基準を2030年式車に適用した場合、二酸化炭素排出量は業界平均で1マイル当たり201グラム以下となることが求められる。
- 2030年式車では燃費基準が業界平均で1ガロン当たり5マイルに:この最終規則の定める燃費基準を2030年式車に適用した場合、要求される燃費は業界平均で1ガロン当たり40.5マイルとなる。ちなみに、2012年の燃費基準では、2025年式車に求められる燃費は1ガロン当たり46.7マイルだった。
- 大気浄化法による汚染物質排出基準の遵守について:この最終規則のもとでも、各年式の新車は大気浄化法にもとづく厳しい汚染物質排出基準をひきつづき遵守していく必要がある。
改正CFR箇所
40 CFR 86 | 新車および使用中の自動車ならびにエンジンからの排出規制 |
40 CFR 600 | 自動車の燃費および温室効果ガス排出 |
49 CFR 523 | 自動車分類 |
49 CFR 531 | 乗用車平均燃費基準 |
49 CFR 533 | 軽量トラック燃費基準 |
49 CFR 536 | 燃費クレジットの移転および取引 |
49 CFR 537 | 自動車燃費報告 |
【参考情報】
官報―最終規則
The Safer Affordable Fuel-Efficient (SAFE) Vehicles Rule for Model Years 2021-2026 Passenger Cars and Light Trucks
(2020.05.12 IT)